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短期免許の外国人ジョッキー裏話


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【Uトラックマン】
短期免許の外国人ジョッキー裏話
(Image: nakashi - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 2.0)

天栄2・しがらき1・堀1

ひと足早くОトラが「つぶやき」でプーシャンに触れていたけど、今週末から秋の恒例行事になっている短期免許の外国人ジョッキーが続々と来日する。

D.レーン(豪) 11月1日~11月30日
身元引受調教師:堀宣行(美浦) 契約馬主:ダノックス

C.デムーロ(仏) 11月1日~12月28日
身元引受調教師:斉藤崇史(栗東) 契約馬主:吉田勝己

A.プーシャン(仏) 11月1日~12月28日
身元引受調教師:田中博康(美浦) 契約馬主:吉田和美

T.マーカンド(英) 11月8日~12月28日
身元引受調教師:宮田敬介(美浦) 契約馬主:シルクレーシング

この4人のうち今回初来日のプーシャンと来週から参戦するマーカンドは、身元引受調教師と契約馬主からも分かるとおり、ノーザンF生産馬でも主に関東馬の拠点である天栄調整馬が中心になる。

C.デムーロは昨年と同じく関西のノーザンFしがらきレーンだけ少し特殊で基本は堀厩舎中心、G1や重賞に出走馬がいない時に限り、ある程度自由に騎乗馬を選べる立場にある。1人だけ馬主ではなく厩舎との個人契約に近い感じだ。

基本的に短期免許の外国人ジョッキーは、主に騎乗馬を用意する契約馬主が呼び寄せる。ビザや書類、滞在に必要なホテル等の準備も契約馬主だし、本国における騎乗成績よりも来日のハードルは意外と高い。

もちろん外国人ジョッキーには“結果”という成績が求められるし、逆に契約馬主や身元引受調教師には大レースでそれ相応の有力馬に乗せなければ、総じてプライドの高い彼らは日本へ来てくれなくなる


例えばマーカンドの妻で夫と3年続けて秋のG1シーズンに来日していた女性ジョッキーのH.ドイル。今年は香港で短期免許を取得するのが話題になったけど、一部では日本での騎乗馬レベルに不満を抱いていた……なんて噂がある。

大前提として天栄にはルメールという絶対的なファーストジョッキーが君臨して、その次に夫であるマーカンド。その他にも2024年は同時期に短期免許でC.デムーロ、R.ムーア、A.シュタルケという豪華な顔ぶれが短期免許を取得していた。

こうなるとH.ドイルに回ってくるのは、かなり小粒な馬ばかりになってしまう。その打開策として去年は福島や中京に遠征して活路を求めたけど、結果として天栄調整馬のローカル要員的な扱いになってしまった感は否めない。

ちなみにH.ドイルは2022年に英国リーディング2位を始め、世界的にも屈指の成績を残している女性ジョッキー。本国の成績では“キング姐さん”こと、豪州のR.キングよりも上だったりする。

それが日本だとパっとしないのは契約馬主の扱いと、レーンやモレイラ、R.キングの来日時に身元引受調教師を務める堀宣行師の手腕によるところが大きい

余談として主に年明けの冬季シーズンに騎乗しているR.キングが、短期免許の枠があれば春か秋のG1シーズンに来日したいって話もあったんだ。

ところが同時期にモレイラかレーンが来るってことになって断念。それだけ堀厩舎のサポートが手厚い裏返しだし、あくまで“出稼ぎ”で日本に来ている短期免許の外国人ジョッキーにとって、騎乗馬の担保が取れていない状況での来日は割が合わないんだろうね。

Uトラックマン
東京担当
Uトラックマン
[東京の精密機械]

美浦きっての頭脳派で、25年6月には1077倍、3301倍を立て続けにお届け。「レースビデオも取材ノートも自分の頭の中。やっぱり競馬は記憶の勝負」と豪語する“精密機械”。黒字収支はお約束で、馬券で勝っている勝ち組暴露マニアの間でも「丸乗りするだけで儲かる」「狙ったように注目馬が激走する」と信者多数。

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